2012年6月20日水曜日

大阪安保の与那国島自衛隊基地誘致に反対する連帯と交流の旅行記

6月11日(月)から14日(木)大阪安保・与那国自衛隊基地誘致反対連帯と交流の旅に17名の有志で参加しました。
ドクターコトー診療所

今回の与那国ツアーは、石垣島から週2便のフェリーで東シナ海を渡り、与那国島へ向かうのに、竹富島・西表島を横目で見ながら大海原を4時間半かけて航海するものでしたが、雨が降る中3mの波で、船酔いする行程から始まりました。空路では石垣・与那国間はわずか40分です。(帰りはもちろん飛行機で帰りました。)

最西端之地

 与那国島に到着してから、一行は島内で5台しかないバスで島内見学。夕食後の8時から与那国銘柄の崎元酒造の経営者でもある崎元俊夫議員が提供した酒造工場跡の集会場で、交流会を開催しました。

自衛隊基地反対の横断幕

現地からは崎元議員はじめイソバの会など7名の方が参加しました。

司会役をした浅海邦弘さんは「大阪生まれの大阪育ちです。16年前に余生を美しいこの島でゆっくり過ごそうと思ってきました。よそ者ですからでしゃばることはしないと決めていました。しかし、自衛隊配備というとんでもないことが出てきて、黙っているわけにはいきません。皆さんからの支援は本当にありがたいです。」元大阪市職員で元市労組組合員の方です。

自衛隊基地誘致予定地での説明

崎元俊夫議員は「自衛隊誘致については、賛否両論がある中で、町議会は2008年9月に誘致賛成の署名514名の署名を根拠に、『自衛隊誘致決議』を強行しました。それに対して、町民有志で誘致反対署名がすすめられ、556筆の署名が集まりました。その差は32筆で反対が上回っていました。しかし、2010年年末の新防衛大綱で、動的防衛力の強化の一環として『島嶼防衛』が打ち出され、それに基づいて与那国島での南牧場を候補地に自衛隊配備が12年度予算で計上されました。


自衛隊基地誘致予定地

私たちは、住民の意見を十分聞かず、なし崩し的に進められる国と町行政一体の自衛隊配備に反対して、民意を問う『住民投票』を実施するように働きかけ、住民投票の条例制定請求を6月4日に提出してきました。町長は、最初いろいろ疑問を表明していましたが、受けて立つ態度です。いよいよこれから1か月が一番大事な時期を迎えます。」と情勢報告をされました。

大阪安保からのカンパなどを受け取る崎元議員

大阪安保からは、このツアー参加者が総数約300名からのカンパ額16万313円と日高昆布10袋、沖縄返還など記念バッジ、寄せ書きなどを手渡しました。街を回っても、賛成派・反対派の看板も同数程度あり、かなり緊迫した情勢であることが分かります。住民投票で圧倒して勝つためには、宣伝物など必要で大いに役に立つことになります。

与那国島馬

与那国島は、切り立った山があったり、平野部が広がっている部分もあり起伏にとんだ島です。ヨナグニサンという世界一大きな娥が生息したり、与那国馬という古来種が放牧されている自然豊かな島です。出会った人の中には、近寄ってきて「与那国を守ります」と決意を述べてくれる人もいました。
与那国島自衛隊基地誘致反対の横断幕を背に

また、若い者が旧来の親戚筋の枠を超えて、与那国島の自立できる経済をどう作るか相談し始めているという話を聞いて、明るい展望も見えてきて力強く感じられました。2006年のテレビドラマ「Dr.コトー診療所」のロケ地です。診療所は、地元の建設業者が新築したものをテレビ局の美術部が一夜にして古びた診療所に早変わり、建てた大工さんは愕然としたエピソードなど。一行の宿泊した旅館は、重要有形文化財で、現に客室として使用されていて、私たちもこの家で寝起きしました。

重要有形文化財の宿舎

与那国島は、黒潮わきたつ最西端の孤島で、石垣島から127km、台湾まで111km。人口1,600人弱、戦後初期は、密貿易の拠点として栄え、その当時は、2万人の人口があり、村から町に昇格した。平成の大合併の時は、石垣市に併合せず竹富町とともに合併はしていません。カジキ漁が盛んで、特産品としては花酒、与那国島でけで造られる60度の泡盛、黒糖、黒潮のミネラルたっぷりの塩、身体によい野草として昔から使われている長命草など。

大阪労連・大阪市地区協議会
事務局長 矢野 正之

与那国島自衛隊基地誘致に反対する島民との交流

~参加者の感想~

一度は行ってみたいと思っていた平和で美しい国境の島、与那国を訪れることができました。しかし島は自衛隊誘致をめぐって賛否二分されおかしな雰囲気に…。でも、梅雨の曇り空でしたが、やっぱり島は平和で美しく、与那国馬や牛たちも“この島には自衛隊基地は要らないさー”とでも言ってるかのようにのどかでした。そして、崎元議員、浅海さん、イソバの会のみなさんと交流し、また大変お世話にもなり大きなパワーをもらいました。自衛隊や米軍基地は要らない、造らせないの思いを改めて強くしました。
 おいしい石垣牛も食べ、少しだけですが与那国を走る、泳ぐという念願も達成でき、充実した旅でした。
                                

 与那国・本当によかったです。のどかで自然がいっぱい!こんな所に自衛隊基地はいらないとつくづく思いました。牛や馬も安心してのびのびノンビリと放牧されていました。ここに基地を作るのか!と怒りで一杯になります。のぼり旗も反対賛成が入り乱れてはためいていましたが、中心メンバーの浅海さん、大阪出身で、大阪でも頑張ってた人です。仕事を辞めてノンビリしようと与那国に行ったのに・・・頑張る人は日本全国どこへ行っても頑張るんですね。私達も物心両面の支援をしていきたいと思います。最後に旅館の女将さんが島を守りますと力強く言って下さったのが印象的でした。


「日本最西端の島」 与那国島。初めての訪問。真白いビーチと美しい海、花の咲き誇る見事な自然に恵まれた島。「さまざまな蝶が生息する蝶の島」。そして、静かでとても良いところです。そこに自衛隊誘致とは実に愚かな事だと思います。尖閣諸島騒ぎの中で「与那国防衛協会」なるものが5年前の07年に設立され「自衛隊誘致の陳情」を町議会が反対世論を押しきって強行。
 この2年前の05年4月に、同じ与那国町議会として「平和な国境と近隣諸国との友好関係に寄与する『国境の島守』として生きることを誓う」とした六項からなる、「与那国、自立・自治宣言」を議決しているのにです。  推進派は、自衛隊の誘致で島の人口減少に歯止めをかけ、経済発展に期待しているらしい。
  防衛省は11年5月に与那国に陸上自衛隊「沿岸監視部隊」の配備を決め、現地に連絡所を設置するなど着々と手を打って来ている。しかし反対派も昨年10月に「自衛隊配備計画」撤回の要請署名を077年の誘致派賛同署名(514)を42上回る556名を集めて頑張っているのは、凄いことです。これから住民投票に持ち込む闘いになるようですが予断を許さない情勢です。人口1.600人の住民を二分する「自衛隊の配備」ではなく、平和で豊かな島づくりをを目指す、島ぐるみの運動に発展させる、政策提言に期待します。台湾まで111㎞と言う、国境の島の闘い、「地元の問題」では済まされないと思う。我々も共に闘う具体化が急がれるように思います。